Life=Risk ソラチカ

「空は思ったより近かった。」なるべくお金をかけないで旅に出たり人生を楽しむ方法を模索するブログです。

The sky is closer than people think

空は思ったより近かった ~ソラチカ~

旅に出る、そのことにたいした理由なんてない

今週のお題「私のタラレバ」

私は旅行が好きだ。旅先での解放感が好きなのか、刺激を求めているのか、癒しを求めているのか、どれもがその理由のように思うしそうでもないような気もする。

1993年から1995年にかけて、毎年のように妻と一緒に香港を訪れた。さすがに当時の記憶はぼんやりとしたものになってしまったが、時折、ピシッとフォーカスが合った映像が浮かぶ。尖沙咀のウォーターフロントをぶらぶらと散歩しながら、その夜景の美しさにカメラのシャッターを切った瞬間などがそうだ。デジタルカメラはまだ普及しておらず、私が持っていたのは安いフィルムカメラだから夜景など綺麗に撮れるはずもないのに。フィルムカメラは、その場で画像を確認できないのは不便だが一つだけメリットもあった。少なくともシャッターを押したその瞬間から現像するまでの間は、いっぱしのカメラマンにでもなったような気分になれることだ。当然のごとく、記憶の中の鮮明な夜景に比して私が撮った夜景は散々な有様だったが。

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夜景を撮った後、セルフタイマーを駆使して妻とのツーショットを撮ろうと四苦八苦していると、アジア系の若い男性がすっと近付いてきて、英語で話し掛けてきた。英語は得意ではないが彼のスマートな動作を見れば写真を撮ってくれようとしているのだということは容易に想像がついた。私達の写真を撮ると彼は笑顔で去っていった。写真の中の私達も笑顔で、その写真を見る度に幸せな想いが甦る。異国の地での名前も知らない親切な男性の記憶だ。私は自撮りが苦手だ。笑顔をうまく作れず、つい真顔で写ってしまう。セルフタイマーで撮った写真も同じだ。だから私が笑ってる写真は誰かが撮ってくれたものだ。誰かの親切心とか思いやりが私を笑顔にしてくれるのだろう。これが私が旅を愛する理由なのだろうか。

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今日、引き出しの整理をしていて、香港の紙幣やコインを見つけた。再び訪れる時のためか記念にとっておいたのか、今となっては残していた理由も覚えていない。たぶん、その両方なのだろう。紙幣の間に折り畳まれた紙が挟まっていた。広げてみると、妻が滞在先のホテルのメモ帳に書いた私宛の手紙だった。手紙には「いつまでも二人で仲良く旅行したい。」と書かれていた。なんだ、そういうことなのか。私が旅行が好きな理由なんて、ひどくシンプルじゃないか。

もし彼女と出会ってなかったら、私はそれでも旅が好きだっただろうか。そう考えようとして、やめた。わざわざ不幸な想像をする必要はないだろうから。