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ジョジョの奇妙な冒険 ジョセフ・ジョースターに見る「老い」の現実とは?

ネットフリックスで「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部を見返しています。私が好きなキャラクターは、その時々で変わっていくのですが、今はジョセフ・ジョースターです。彼は短命なジョースター家の男子の中では異例の長命で、第2部の主人公であると同時に、第3部、第4部にも登場するという息の長いキャラクターでもあります。

漫画のキャラクターですから、経験を積む度に(年をとればとるほど)無限に強くなってもいいようなものですが、彼は確実に老い衰えていくのです。荒唐無稽なストーリーの中に、現実的で過酷な描写が垣間見えるのも作品の魅力の一つなのではないでしょうか。

ジョセフ・ジョースター最強論?

ジョジョの第2部「戦闘潮流」の主人公であるジョセフ・ジョースターは生まれついての波紋の力と知力、胆力で少なくとも肉弾戦においては歴代ジョジョ最強クラスのキャラクターだと思います。

特に何の訓練も受けていないのに、吸血鬼と化した波紋法の後継者ストレイツォ、吸血鬼の上位生物であるサンタナを撃破しました。

そして圧巻は、波紋法の修行後の対エシディシ戦です。数千年の時を生き、吸血鬼さえ食料とする究極生物である彼に

おめえの敗因はやはり二千年間ぐっすりと寝込んでいたことだな

と言い放ち、得意の騙しのテクニック、ロープマジックを駆使してあっさりと倒してしまいます。

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スポーツの世界でも必ずしも経験豊かな選手が勝つわけではありません。若い自分の子供や孫のような世代に打ち負かされるというのは決して珍しいことではないのです。むしろ、そうした歴史の繰り返しだとさえ言うことができるし、最新のトレーニング理論、戦術、単純な筋力や反射神経の衰えで世代交代が進むというのは必然です。

ジョセフ・ジョースターはこの後も、究極戦士のワムウを死闘の末に葬り去り、究極生物の頂点に立つカーズまでも一旦は撃破し、その後、神とも言える存在に進化した超生物カーズを宇宙に追放することに成功するのです。

つまり、主要敵キャラは全てジョセフ・ジョースターが倒したことになります。

第3部に見るジョセフ・ジョースターの「老い」と「衰え」

時は移り、物語の主人公は、ジョセフ・ジョースターの孫、空条承太郎となります。そして、60代後半となったジョセフ・ジョースターの再登場です。第2部からのファンはその活躍を楽しみにしていたかもしれませんが、その期待は裏切られたと言ってよいでしょう。

ジョセフ・ジョースターが戦いにおいて、貴様なんかとは年季が違うということをこれから思い知らせてやる!!

啖呵を切って臨んだエンプレス戦において、ボコボコにされながらも宣言通り勝利を収めたのは流石と言ってよいですが、ザコキャラのエンプレスに思わぬ大苦戦。

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そして、強く違和感を覚えたのが太陽のスタンド「サン」との戦いです。もともとトリックや騙しの手品が得意なはずのジョセフが最後まで敵スタンド使いのトリックを見破れず、17歳の孫、承太郎に

どけ、邪魔だ ジジイ

と一喝される有様です。あのポルナレフでさえトリックを見破ったと言うのに…

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ジョセフのスタンドが戦いに不向きなスタンドだからという意見もあるかもしれません。しかし、全く言い訳ができないのが「ダービー・ザ・ギャンブラー」のエピソードです。

知力・胆力が要求され、恐らくジョセフが最も得意とする分野であろうギャンブル勝負において完敗、自ら敗北を認めて魂を抜かれるという失態を演じるのです。

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「老い」とは能力の衰えである

どんな偉大な名選手や経営者もそうであるように、全ての人間は老化による能力の減退という呪縛から逃れることはできません。年をとるにつれ、一般的なその年代の人と比べれば、高い能力を保持しているという状態であったとしても、全世代を通じてトップレベルであるかと問われればそうではないでしょうし、その人の全盛期と比べても明らかに能力は減退している状態となるでしょう。残酷ですが、それが「老い」です。

偉大な名プレーヤーなどではなくても、私達はいずれ社会人としての能力、親としての能力、夫として妻としての能力を失ってしまいます。早い遅いの違いはあるかもしれませんが、平等にその瞬間は訪れます。

ジョセフは「老い」を理解し受け入れた

ジョセフは自分の能力の減退を呪うことも、若い力を妬むこともありませんでした。そもそも波紋法を体得している彼は波紋の呼吸を続けることで、ある程度若い肉体を保つことも能力を維持することも可能だったのです。現に波紋の修行を継続していたジョセフの母親、リサリサは50歳にして20代後半の若さと美貌を維持していました。

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ジョセフが年相応に老いている理由は明らかではありませんが、私が好きなのは、愛する妻のスージーQと共に生き、共に老いる道を選択し波紋の呼吸法をやめたという解釈です。第4部の主人公がジョセフの愛人の子供という点と矛盾するかもしれませんが…

いずれにせよ、彼は年相応に老いていく人生を受け入れ選択したということなのでしょう。それでも第3部において彼は、若い力に助けられながら、ディオを倒し愛娘のホリィの命を救うという目的を達成するのです。

第4部でジョセフが示した覚悟

第4部はジョセフ・ジョースターの愛人の息子、東方仗助が主人公となります。実写映画化もされ物議を醸すことになりました。

ジョセフは認知症を発症したかのような衝撃的な姿で登場します。79歳という設定で杖を突いて歩く姿に往年の面影はありません。しかし、彼は池に落ちた何の縁故もない透明の赤ん坊を救うために、自らの手首を切って水に色をつけるという奇策を思いつき実行します。年が年だから死ぬかもしれんとつぶやきながら。

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この命がけの機転で赤ん坊を助けた理由は、息子(東方仗助)の前でかっこをつけたかっただけだそうです。

ジョセフは「老い」は恥ではないということを示してくれた

老化による衰えを感じる瞬間は人それぞれでしょう。それは、手加減しながら遊んでやっていたゲームを本気でやっても子供に勝てなくなった時かもしれません。親や親族の死に直面した時かもしれないし、子供が結婚した時、孫が生まれた時、会社を退職した時かもしれません。

私自身、既に力の衰えを感じているし、今現在は「まだ」と「もう」の間で心が揺れている状態です。「老い」を素直に受け入れるにはまだ時間が必要だと感じています。思えば、ジョセフは自らの能力の減退を嘆くことなく、常に最善を尽くそうとしていました。その時、その瞬間の持てる力で努力することこそが大切だと言わんばかりに。

できれば、この先ジョセフのようにかっこよく老いていきたいと思います。愛人は作りませんけどね。