Life=Risk

なるべくお金をかけないで旅に出たり人生を楽しむ方法を模索するブログです。

「そんなことあったっけ?」と笑う君を応援したい、ずっと。

十数年前のことです。妻は長年所属していたダンス団体を辞め、新しいダンスグループを立ち上げました。と言っても、メンバーは妻と仲の良いダンサー1名の二人だけでした。所属していたダンス団体では指導員をしていて、そのまま所属していれば後継者的な立場になったのかもしれません。

辞める前は、団体の運営方針や目指すダンスの方向性の違いについてずいぶん悩んでいました。結果的に妻は二人だけで自由に踊ることを選択しました。思い切った選択だったと思います。10代、20代なら居を移し、別の団体でやって行くという選択肢もあったでしょう。でも、既に結婚していたし子供もいましたから。

ダンサーというのは表現者です。表現者である以上、必要不可欠なものがあります。それは観客なんですね。発表の場のないダンサーは表現者としては死んだも同然です。それなりの団体に所属していれば、団体が発表の場を用意してくれます。それを放棄すれば、二人で練習をするだけで発表の機会はないという最悪の可能性もあり得たのです。

迷った時に、妻は私に相談します。私は妻の話を聞いて相槌を打ちます。特に助言は必要ありません。必要なのは共感です。いつだって、答えは妻の中にあると信じていますから。私に相談するのは自分の考えを整理し、まとめるための儀式のようなものです。私は妻の選択を応援し、その結果に共同で責任を負えばいいだけです。

理想を追うということは難しいですね。何が正しい選択かなんて誰にもわかりません。できるのは正しい選択をしたと信じることだけです。たった二人だったダンスグループは今、生徒数が100人ほどになっています。小さな子供の生徒さんも多いです。小さな子供が踊れば両親や兄弟、おじいさん、おばあさんが見に来ます。100人は200人、300人の観客を呼ぶということを知りました。

二人で街を歩いて声を掛けられるのは決まって妻です。「先生!」と呼び止められるのにも慣れました。70歳、80歳になっても踊り続けると宣言する妻は、私が「あの時は大変だったね。」と話しても「そんなことあったっけ?」と笑うんですよね。そんな妻の人生を最前列で応援するのは常に私でありたいと思っています。